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【行政書士が整理】化粧品のラベルは何を書けばいい?製造販売を始める前に押さえたい法定表示と実務上の注意点

こんにちは。行政書士の孔です。

海外ブランドの化粧品を日本で販売したいと考えたとき、まず意識が向きやすいのは、処方、パッケージデザイン、販路、ECページといった部分かもしれません。
けれども、実務ではその少し手前で、意外と多くの事業者が止まります。
それが「ラベルをどうするか」という問題です。

海外ですでに販売されている商品だから、その表示を少し日本語に直せば使えるだろう。
日本語シールを作れば対応できるだろう。
そう考えたくなる場面もありますが、日本で化粧品を製造販売する以上、法定表示、全成分表示、販売名、製造販売業者の表示、効能表現などを日本のルールに合わせて整理する必要があります。ラベルは最後に整えればよいものではなく、事業設計の初期段階で見ておいた方がよい論点の一つです。

目次

化粧品ラベルで、まず誤解しやすいこと

海外で売れている表示を、そのまま日本で使えるとは限りません

海外で流通している完成品であっても、日本で「化粧品」として製造販売するなら、日本の薬機法上の表示ルールに合わせる必要があります。
都道府県の実務案内でも、海外から輸入した製品を自社製品として市場へ出荷する場合には、通常、化粧品製造販売業許可と、国内側の化粧品製造業許可(包装・表示・保管)が問題になり、邦文表示済みの製品を輸入する場合であっても、国内製造所で一旦保管し、必要な試験検査を行う必要があると整理されています。

ラベルだけでなく、表示全体の整合も重要です

ラベルは法定表示の問題、ECページやSNSは広告の問題、と分けて考えることはできます。
ただし、実務では販売名、全成分表示、効能の見せ方、パッケージ上の訴求表現、EC商品ページの記載がつながって見られます。厚生労働省の適正広告基準は、ウェブサイトやSNSを含むすべての媒体を対象としています。

化粧品の法定表示として、まず押さえたい項目

直接の容器または直接の被包に記載が求められる主な事項

化粧品では、法第61条と関連規則に基づき、主な表示事項として、製造販売業者の氏名又は名称及び住所、製品の名称、製造番号又は製造記号、全成分の名称などが求められます。
実務資料でも、このあたりが基本の表示事項として整理されています。

製造販売業者の氏名又は名称及び住所

ブランド名や販売会社名が目立っていても、法定表示としての「製造販売業者の氏名又は名称及び住所」が適切でないケースがあります。
厚生労働省通知でも、複数の氏名又は名称を記載する場合に、製造販売業者でない者が製造販売業者であると誤解を招くおそれのある表示をしてはならないとされています。

製品の名称(販売名)

ラベルに載せる製品名は、単なる販促上の呼び名ではなく、届出した販売名との整合が重要です。
実務上も、販売名を後から直すことになると、ラベルやEC表示までまとめて見直しになりやすいため、先に確認しておく方が安全です。

製造番号又は製造記号

製造番号又は製造記号は、品質問題や回収対応の際にも重要になる表示です。
単なる管理番号ではなく、ロット管理と結びつく情報として扱った方が実務感に合います。

全成分表示は、単に成分を並べればよいわけではありません

成分名は邦文名で記載します

厚生労働省通知では、化粧品の成分名称は邦文名で記載し、日本化粧品工業連合会の成分表示名称リスト等を利用して消費者の混乱を防ぐよう求めています。
つまり、海外市場向けのINCI名などをそのまま並べれば足りるわけではありません。

記載順は原則として配合量の多い順です

同じ通知では、成分名の記載順序は製品における分量の多い順とされ、1%以下の成分および着色剤は互いに順不同で差し支えないとされています。
海外ラベルをそのまま翻訳すると、日本のルールとずれることがあるため注意が必要です。

プレミックス、抽出物、香料の扱いも確認が必要です

混合原料は成分ごとに記載すること、抽出物は抽出された物質と溶媒を分けて記載すること、香料は着香剤として用いる場合に「香料」と記載して差し支えないことなど、通知では細かなルールも示されています。
処方表をそのまま転記するのではなく、日本の表示ルールに沿って整える必要があります。

ラベルを作る前に、処方そのものが日本基準に合っているかも確認が必要です

化粧品基準に適合しているか

日本では「化粧品基準」が定められており、保健衛生上の危険を生じるおそれのある原料を含んではならないことや、配合禁止成分、配合制限成分、防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素の取扱いなどが定められています。
そのため、海外で適法に販売されている処方でも、日本ではそのまま使えない場合があります。ラベルを整える前に、まず処方が日本基準に適合しているかを確認する必要があります。

輸入できることと、日本で適法に売れることは同じではありません

輸入手続が進められることと、日本で化粧品として適法に製造販売できることは同じではありません。
実務では、製造販売体制、製造所、販売名、届出、表示、成分基準まで揃って、初めて安定して販売へ進めます。

ラベルだけでなく、効能表現にも注意が必要です

化粧品で表現できる効能には範囲があります

化粧品は、医薬品のような効能効果を自由にうたえるわけではありません。
厚生労働省通知や適正広告基準の運用では、化粧品として表現できる範囲を超えないことが前提になります。ラベルやパッケージに限らず、ECページやSNSでの訴求もこの前提で考える必要があります。

パッケージ表示とEC商品ページを切り離さない方が安全です

外箱では控えめな表現にしていても、ECページやSNSで医薬品的な効能を強くうたっていれば問題が出る可能性があります。
ラベルだけを別物として考えるより、販売名、表示、広告、SNS投稿をまとめて整合させる方が実務上は安全です。

実務で特に見落としやすいポイント

ブランド名と製造販売業者表示は別です

ブランド名や販売サイト名が目立っていても、法定表示として必要なのは製造販売業者の氏名又は名称及び住所です。
誰が日本で法的責任主体になるのかが、表示上も明確になっている必要があります。

日本語ラベルを海外で貼っても、それで完了とは限りません

海外工場や海外倉庫で邦文ラベルを貼るケースでも、日本側の製造販売体制や国内製造所での包装・表示・保管の整理は別に必要になることがあります。
表示作業の場所だけでなく、日本国内でどのように受け入れ、保管し、出荷前管理をするかまで見ておいた方が安全です。

これから製造販売を始める事業者が、先に整理しておきたいこと

まずはこの順番で確認すると進めやすいです

これから化粧品製造販売を始めるなら、少なくとも次の流れで確認すると、ラベルでの手戻りを減らしやすくなります。

  • その商品が日本で「化粧品」として扱えるか
  • 処方が「化粧品基準」に適合しているか
  • 日本で誰が製造販売業者になるか
  • 国内でどの製造所が包装・表示・保管を担うか
  • 販売名と全成分表示をどう整えるか
  • 外箱、容器、タグなどのどこに何を表示するか
  • EC商品ページや広告表現が化粧品の範囲内か

この流れを先に押さえておくと、デザインは完成したのに法定表示が入らない、販売名と表示が合わない、成分表示をやり直す、といった典型的なやり直しを減らしやすくなります。 (厚生労働省)

よくある質問

Q1. 海外で販売している化粧品なら、そのまま日本でも売れますか。

必ずしもそのまま売れるとは限りません。
日本で化粧品として製造販売するには、日本の表示ルール、全成分表示、販売名、製造販売業者の表示、化粧品基準への適合などを確認する必要があります。

Q2. 日本語のラベルシールを貼れば、それで足りますか。

日本語シール自体が直ちに問題というわけではありませんが、それだけで足りるとは限りません。
表示内容が法定表示として足りているか、販売名と一致しているか、全成分表示の名称や順序が日本ルールに合っているかを確認する必要があります。

Q3. ラベルには最低限、何を表示する必要がありますか。

一般に、化粧品では、製造販売業者の氏名又は名称及び住所、製品の名称、製造番号又は製造記号、全成分表示などが主な法定表示事項になります。
ただし、商品や容器の形状等によって個別確認が必要です。

Q4. 全成分表示は、海外表示をそのまま日本語に訳せばよいですか。

そのままでは足りないことがあります。
邦文名での表示、記載順、抽出物やプレミックスの扱いなど、日本独自のルールに沿って整える必要があります。

Q5. ブランド名を大きく表示していれば、会社情報はそれで足りますか。

足りません。
ブランド名と、法定表示としての製造販売業者表示は別の問題です。
誰が日本で法的責任主体になるのかが分かるようにしておく必要があります。

Q6. パッケージに書く表現と、ECサイトの商品説明は別で考えてよいですか。

完全に切り離して考えるのは危険です。
パッケージの表示と、ECページやSNSでの訴求は、実務上まとめて整合を見た方が安全です。

Q7. ラベルの確認は、いつの段階でやるのがよいですか。

できれば最後ではなく、早い段階で確認する方が安全です。
処方、販売名、責任主体、製造所、包材、ECページの表現は互いに関係しているため、印刷直前に確認すると手戻りが起こりやすくなります。

製造販売を始める前に確認したい方へ

化粧品のラベルは、単に表示を埋めれば済むものではなく、販売名、全成分表示、責任主体、広告表現まで関わってきます。
どこから確認すればよいか分からない段階でも、先に整理しておくことで手戻りを減らしやすくなります。

海外化粧品を日本で販売する場合、表示の問題は通関や販売直前ではなく、事業設計の段階で見ておいた方が進めやすいことが少なくありません。
処方、表示、販売名、製造販売体制の関係を一度まとめて確認しておくと、実務の流れがかなり見えやすくなります。


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